Stable Diffusionを使って画像生成を始めたばかりの人の中には、「Checkpoint(チェックポイント)とLoRA(ロラ)って何が違うの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Stable Diffusionにおける「Checkpoint」と「LoRA」の役割や特徴の違いを、初心者にもわかりやすく解説していきます。
そもそもStable Diffusionとは?
Stable Diffusionとは、テキスト(プロンプト)を入力すると、それに応じた画像をAIが生成してくれるツールです。
このAIは、事前に大量の画像とその説明文で学習された「モデル」を使って画像を生成します。
そのモデルを選んだり、拡張する方法として出てくるのが「Checkpoint」と「LoRA」です。
チェックポイント(Checkpoint)とは?
Stable Diffusionの“本体”モデル
Checkpointとは、Stable Diffusionにおける学習済みモデルの本体です。いわば、AIの“脳”にあたる存在で、画像生成の基礎となるスタイル・構図・色味などの傾向を決めます。
ベースモデルを決定づけるファイル
- 有名なCheckpoint例:
SD1.5
,SD2.1
,SDXL
- 拡張子:
.ckpt
,.safetensors
- ファイルサイズは数GBになることが多い
このCheckpointを入れ替えると、生成される画像の「ベースとなる画風」や「出力傾向」が大きく変化します。
LoRA(Low-Rank Adaptation)とは?
特定の絵柄・要素を学習した“追加ファイル”
LoRAとは、ある特定のキャラクターや構図、衣装などを学習した軽量な追加ファイルです。
本体モデルに“上書きせず”追加できる
- Checkpointモデルに対して「上から味付け」をするような存在
- 拡張子:
.safetensors
(LoRAもこの形式) - ファイルサイズは数MB〜数百MB程度と軽量
例えば、「アニメ風のキャラ」「特定のポーズ」「セーラー服の衣装」など、LoRAを使えば簡単に特化した要素を反映できます。
LoRAの特徴
- 複数のLoRAを同時に使うことも可能(合成・組み合わせ)
lora:ファイル名:強度
という記述でプロンプトに反映可能- 強度(影響力)を0.6〜1.0の間で自由に調整できる
チェックポイントとLoRAの違いまとめ
項目 | チェックポイント (Checkpoint) | LoRA (Low-Rank Adaptation) |
---|---|---|
役割 | モデルの本体 | 拡張ファイル(追加機能) |
ファイルサイズ | 数GB(重い) | 数MB〜数百MB(軽い) |
絵柄の影響力 | 強い(全体に影響) | 弱め(特定キャラ・表現に特化) |
複数併用 | できない(1つのみ) | できる(複数LoRAを組み合わせ可能) |
カスタマイズ難易度 | やや高い | 低め(初心者向き) |
どっちを使うべき?初心者へのおすすめは?
初心者は「Checkpoint+LoRA1つ」から始めよう
- チェックポイントで画風全体の方向性を決定
- その上で、LoRAを使って「キャラクター」「衣装」「ポーズ」などを調整
こんな人はCheckpointを重視
- 生成される絵柄を大きく変えたい
- 写実的・アニメ風・イラスト調など根本から作風を変えたい
こんな人はLoRAを活用
- 毎回違うキャラになって困っている
- 衣装やポーズの表現がうまく出ない
- 自分好みの「味付け」を軽く加えたい
まとめ|CheckpointとLoRAの違いを理解して画像生成をもっと自由に!
- Checkpoint=ベースとなる本体モデル、LoRA=その上に加える「特化型拡張」
- 絵柄の土台を作るならCheckpoint、表現を細かく調整したいならLoRA
- 両方をうまく使い分けることで、自分だけの理想のAIイラストが生まれます
初心者は、まず「人気のCheckpoint × 好みのLoRA」を1つずつ試してみるところから始めましょう。生成AIの世界が一気に広がりますよ!
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