「伝わるシンプル文章術」
本書をよむと、文章の書き方や文章の読み方が変わっていき、今後読む本がなぜ分かりづらいのかやなぜ分かりやすいのか、が分かるようになり読むべきでない本が明確になります。
それに加え、クイズ文を理解することで、作者の伝えたいことはここだと理解ができ、逆にこの分は説得したい文ではなく共感を求めている文なのだと判断が出来るようになります。
そんな本書で学んだクイズ文と日記文の違いと特徴を今回はまとめましたので、ぜひ本書が気になったら買って読んでみてください。
クイズ文とは何か
まずクイズ文とは…
クイズ文とは本書のメインテーマになります、自分の意見を通すための文章です。
つまり、伝えたいことを一つに絞ってそれに対して説明し、相手を説得することを目的に書いてある文章のことをクイズ文といいます。
例えば、ブログなどでは「これおすすめです」といった内容のブログだったり大学の論文なども、読者に対して、結論である「これいいよ」だったり「これはこうなる」というのを伝えるため作成している文章なので、クイズ文にあたります。
特徴としては、問題を定義して結論を提示する。そして、それに対しての理由を述べている。この「問題・結論・理由(根拠)」の三部構成でなっていることが特徴です。
日記文とは何か
日記文とは…
日記文は共感してもらうことを目的とした文章です。
つまり、読者にたいして特定の意見を求める文章ではなくて、主観的な感想を盛り込み、どう感じるかは読者にゆだねるような文章のことを言います。
例えば、小説や詩などの読者に対して、感情を湧き立たせることを目的とした文章などがそれに該当します。
特徴としては、主となる伝えたい出来事を書きそれに対してどう感じたか感想をかくという事が交互になされている文章です。
問題・結論・理由
クイズ文の要素である、問題・結論・理由とは何かそれぞれ紹介していきます。
まずは、問題。これはこの文章で伝えたいことを考えるきっかけとなった事柄を言います。
次に、結論これは作者の主張です。何が言いたいのか作者が伝えたいことを説明している部分になります。
最後に理由。結論に至った筋道を説明したものです。人に何かを伝えるには誰もが納得できる論理という概念が欠かせません。その結論に至った論理を説明したのが、理由になります。
実際には、この後その理由を支える根拠と結論への反論に対する反論まで説明してクイズ文の完成となるのですが、今回は長くなってしまうため省きます。本書読んでください。
この「問題・結論・理由」は、なぞなぞに例えるとわかりやすい作者は言います。なぞなぞにある、「問題・答え・解説」この構成が人に意見を伝えるのに適しているため、この文章のことをクイズ文と作者は読んでいるそうです。
事実と感想
個人的に一番面白かったのが、このあたりです。ひらめきが止まらなくて、たびたび本を閉じてスマホにメモをとっていました。
事実とは主観を排し客観的な性質を持った意見、出来事をさし
感想とは主観的な意見のことを言います。
この主観的意見と客観的事実が混在するのが、この日記文の大きな特徴になります。逆にクイズ文は主観を排して作られます。
それでは、主観とは何か?となってくると思うのですが、本書では主観とは反論できない議論にならない個人的な意見のことと定義しています。
例えば、「この家は広い」という意見があったとしましょう。広いか狭いかに関しては一見議論の余地がありそうですが、広いという言葉一つでは「○○平方メートル以上が広い」というように定義が決まっているわけではないので、「おれは広いと思う」などのように意見されてしまったら、議論になりません。なので、この意見は感想に当たります。ただ、「どこどこよりは広い」という意見ならば、数値として面積の差し引きが出せて一つの基準のもと定義できるので事実になります。
物語やフィクションに対して事実は存在するのか?という疑問もでると思いますので、物語やフィクションはどうなるかについても説明しておきます。
答えは物語のなかでは事実であるという見方ができるので、物語やフィクションの中にも事実は存在します。
ほかにも、間違った事実というものも存在しており、例えばかつて、ヨーロッパで信じられていた天動説これは、現在は根拠をもとに地動説に反論され淘汰されています。この反論ができるというのが、事実たるゆえんで。反論された時点で議論に発展し議論が帰結され淘汰されたのでという過程が存在しているので、天動説は「間違っていた事実」となります。
つまり、この反論できる意見かできない意見かそれにより主観か客観か見分け、事実か感想かも分けることが出来るのです。
ディベートの必要性
クイズ文を書く訓練にはディベートの訓練をすることが一番手っ取り早いと著者は言います。
ディベートとはお互いの主張にて説得しあう。いわば説得合戦です。そしてディベートの勝敗を大きく分けるのは、いかに客観的な根拠を多く集めたかに左右されます。
この自身の主張を支える根拠を用意する。相手の意見の反論のためや相手の反論をさらに反論するために根拠を用意する。
これを効果的に行う練習になる。それにより客観的事実と感想を区別するや反論を想定してそれについての反論を記載できるようになり、より説得力のある文章を書けるようになります。
最後に
本書を読むことで文章構造を理解することができ、より今後読む本を読みやすくなり理解度が上がるようになります。
さらに、論理的思考を行うのに必要な因果関係と相関関係。その見極めのために必要なピースになる。事実と感想の思考について明確な言語的な定義を知ることができるようになり、論理的思考力が向上します。
もちろん、本書を読む前以上に整理した文章を書くことができるようになり、文章を書く人の永遠のテーマである文章の読みやすさが向上します。
最後に、本書「伝わるシンプル文章術」の著者様、発行元会社様方、他関係者方々に敬意と感謝の念を捧げます。
著書名:伝わるシンプル文章術
著者:飯間浩明
発行元: ディスカヴァー・トゥエンティワン
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